ニューメディアの中の分類─「フリーメディア」と「カオスメディア」

ニューメディアの中の分類─「フリーメディア」と「カオスメディア」
こんにちは!関達也です。
前回の記事では、「ルール社会 vs. ストーリー社会」の対立について書きました。
「ルール社会 vs ストーリー社会」の対立についてはこちらの記事に書きました。

かつては、テレビや新聞といったオールドメディアが情報の中心でしたが、YouTubeやX(旧Twitter)、TikTokなどのニューメディアが台頭し、「何を信じるか?」が人によって大きく変わってきました。
ルール社会は「事実や論理に基づいた情報」を重視する一方、ストーリー社会は「共感や感情に訴える物語」を重視します。
この対立が、情報のあり方を大きく変えています。
そして、この流れの中で、ニューメディア自体も「すべてが同じ性質を持っているわけではない」ことが見えてきます。
ニューメディアの中には、独立系ジャーナリズムや専門家による解説を発信する「フリーメディア」がある一方で、炎上や陰謀論、デマが拡散しやすい「カオスメディア」も存在します。
今回の記事では、この2つのメディアの違いを整理し、なぜカオスメディアが拡散されやすいのか、そして私たちはどのように情報を選び取るべきなのかを考えていきます。
ニューメディアは「自由」だが、すべてが信頼できるわけではない

ニューメディアは、誰でも自由に発信できる場として、オールドメディアとは異なる魅力を持っています。
これまでのメディアは、大手企業や政府機関が情報をコントロールしていましたが、今では個人がダイレクトに情報を発信できる時代です。
しかし、自由な発信が可能だからといって、すべての情報が信頼できるわけではありません。
ここで重要なのが、ニューメディアの中にも「フリーメディア」と「カオスメディア」という大きく異なる性質を持つメディアが存在するということです。
フリーメディアとは?─独立した視点で価値ある情報を提供するメディア

フリーメディアとは、企業や政府から独立しながらも、信頼性の高い情報を提供するメディアのことです。
フリーメディアの特徴
- 企業や政府から独立している
- 事実確認やリサーチを重視する
- 専門家やジャーナリストが運営することが多い
- 既存のオールドメディアに代わる「新しい情報源」になりうる
フリーメディアの代表例
- 独立系ニュースサイト(例:オルタナティブメディア、調査報道系のYouTubeチャンネル)
- 専門家発信(医師・弁護士・経済学者などの解説YouTube)
- オピニオン系メディア(政治や社会問題に対する深掘り解説)
例えば、医師が運営するYouTubeチャンネルでは、健康に関する正確な情報を提供し、専門家としての見解を示しています。また、独立系ジャーナリストが政府や企業の影響を受けずに調査報道を行うケースもあります。
カオスメディアとは?─拡散力と話題性を重視するメディア

カオスメディアとは、話題性や拡散力を重視し、センセーショナルな情報が優先されるメディアのことです。
カオスメディアの特徴
- 情報の正確性よりも、話題性・エンタメ性を重視
- 一定の倫理観がなく、過激・扇動的なコンテンツが多い
- 事実確認が不十分なまま拡散されやすい
- フェイクニュースや陰謀論の温床になることもある
カオスメディアの代表例
- 暴露系・炎上系YouTuber(芸能人のスキャンダルや裏話を暴露するコンテンツ)
- 陰謀論サイト(例:Qアノン系のメディア、根拠のない陰謀論を拡散するブログ)
- デマ拡散型SNSアカウント(意図的に誤情報を拡散し、フォロワーを増やす手法)
たとえば、特定の有名人のスキャンダルを過激なタイトルで煽るYouTube動画や、まったく根拠のない陰謀論を拡散するSNSアカウントが典型的なカオスメディアです。
こうしたコンテンツは、感情を刺激し、人々が拡散しやすい特徴を持っています。
なぜカオスメディアはバズりやすいのか?

カオスメディアが拡散されやすい理由はいくつかあります。
1. アルゴリズムの影響
YouTubeやX(旧Twitter)では、「エンゲージメントの高いコンテンツ」が優先的に表示されます。センセーショナルな情報ほどコメントやシェアが増えるため、より多くの人に届きやすくなります。
2. 人間の心理
人は「驚き」や「怒り」を感じる情報に反応しやすい傾向があります。冷静な分析記事よりも、感情を揺さぶる情報の方が拡散されやすいんです。
3. プラットフォームの意図
YouTubeやXは、視聴時間やエンゲージメントを伸ばすことが収益につながるため、センセーショナルなコンテンツが推奨されやすい仕組みになっています。
これからの時代、情報をどう選ぶべきか?

ニューメディアには「フリーメディア」と「カオスメディア」の両方が存在します。その中で、私たちがどの情報を信じ、どう行動するかが重要です。
- フリーメディアの情報を見極める(発信者の経歴や根拠を確認する)
- カオスメディアに引っかからない(煽るタイトルや根拠不明の情報に注意する)
- 複数の情報源を比較する(一つのメディアに依存しない)
次回は、「炎上した人が消えない時代─テレビとネットの矛盾する倫理観」について考えていきます。お楽しみに!
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