トランプが「多様性」を止めた理由とは? DEI廃止が意味する未来

トランプが「多様性」を止めた理由とは? DEI廃止が意味する未来
こんにちは!関達也です。
今回は、アメリカで起きた大きなニュースについて取り上げたいと思います。
2025年1月20日(現地時間)、ドナルド・トランプ大統領が「多様性、公平性、包括性(DEI)」プログラムを廃止する大統領令に署名しました。
つまり、これまでアメリカ政府が進めていた「人種や性別に関わらず全ての人が平等に扱われる環境を作る」という取り組みを終わらせ、政府の方針を実力主義や伝統的な価値観に戻すことを決めたのです。
この決定は、多様性の重要性を支持する人々にとっては後退と捉えられる一方、過剰な規制だと感じていた人々には歓迎されています。
このニュース、すごく衝撃的ですよね。日本ではまだ「DEI」について知らない方も多いかもしれませんが、実はこれ、私たちにも無関係ではありません。
今日は、そもそも「DEI」とは何なのか、トランプ大統領がなぜそれを廃止したのか、そしてこの決定がアメリカや世界にどんな影響を与えるのか、一緒に考えてみましょう。
「DEI」って何?

まず、「DEI」という言葉を聞いたことがない方もいると思いますので、簡単に説明します。
「DEI」とは、Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の頭文字を取ったものです。
「DEI」とは?
- Diversity(多様性):性別、人種、文化、障害の有無など、さまざまな背景を持つ人々を尊重すること。
- Equity(公平性):すべての人に公平な機会を提供すること。
- Inclusion(包括性):誰もが排除されることなく活躍できる環境を作ること。
バイデン前大統領はこの「DEI」を推進していましたが、トランプ大統領は「これをやめる」と決断しました。
その背景にはどんな理由があるのでしょうか?
トランプが「DEI」を廃止した理由

トランプ大統領が「DEI」を廃止した背景には、いくつかの理由があります。それを分かりやすくお話ししますね。
支持者層への配慮
トランプ大統領の支持者は、保守的な価値観を重視する白人中産階級が中心です。彼らの中には、DEIが「逆差別」や「不公平な規制」と感じられる人も多くいます。
- 支持者の声:「成果や能力ではなく、背景で評価が決まるのはおかしい。」
- トランプの意図:支持者に応えるために、DEIを「余計な規制」として廃止。
小さな政府への回帰
トランプ政権は「政府の役割を小さくする」という方針を掲げています。DEIプログラムは多くのコストを伴うため、それを削減する狙いがあったようです。
伝統的な価値観の復活
トランプ大統領は、「本日より、性別は男性と女性の二つだけであることを今後の米国政府の公式方針とする」と演説で明言しました。この発言は、従来の価値観を重視する立場を強調したものです。
こうした姿勢は、現代のジェンダー論や多様性推進に反対する立場ともいえます。
「DEI」廃止、賛否それぞれの主張

トランプ大統領が「DEI」を廃止する決定をしたことで、アメリカ国内外で議論が巻き起こっています。
この決定には賛成派と反対派の両方が存在し、それぞれが明確な主張を展開しています。
ここではその意見を整理してみます。
賛成派の主張
- 自由競争の回復 DEIを廃止することで、背景に関係なく純粋な成果や能力が評価される環境になると主張しています。
- 過剰な規制の撤廃 企業や組織が自由な経営判断をできるようになる、という意見です。
反対派の主張
- 逆行と分断の助長 多様性の推進が止まることで、不平等が深刻化し、社会の分断が進むリスクがあります。
- アメリカの国際的評価の低下 アメリカが「多様性の国」としての地位を失い、国際社会でのリーダーシップが弱まる可能性が指摘されています。
企業や国際社会への影響

トランプ政権が「DEI」を廃止したことで、アメリカの企業や国際社会にはどのような影響が及ぶのでしょうか。この動きが引き起こす変化を見ていきましょう。
米国内企業の対応
トランプ政権の決定を受けて、多くの企業が「DEI」施策を見直しています。
- メタ(旧フェイスブック): 2025年1月10日、メタは従業員向けの社内通知で、採用、社員教育、取引先選定におけるDEI施策を廃止すると発表しました。また、米国内での投稿内容のファクトチェック機能も廃止し、共和党員のジョエル・カプラン氏を渉外担当責任者に任命するなど、保守派との関係を強化しています。
- アマゾン: 2024年末までにDEI施策を段階的に廃止する方針を示しています。これは、保守派の反DEI運動の高まりや法的リスクを考慮した動きとされています。
- ウォルマート: 2024年の選挙後、ウォルマートは人種的公平性センターへの資金提供を停止し、従業員向けの特別研修を終了するなど、DEI関連の取り組みを見直しています。
一方で、アップルやコストコなどは引き続き多様性を推進しています。
国際社会の反応
当然、この動きに対し、国際社会からは批判の声も上がっています。
「アメリカが多様性を否定している」と見られることで、他国との関係や国際的な影響力にマイナスになる可能性があります。
日本への影響と考察

アメリカでの「DEI」廃止の動き、これが日本にどんな影響を与えるのか、気になるところですよね。
正直、僕自身も「多様性」という言葉に押し付け感を覚えることがありました。そう感じている日本人も少なくないのではないでしょうか。
ここでは、そのポイントを簡単に見ていきましょう。
日本企業への影響
まず、日本企業がどう対応するのかです。
アメリカ市場に依存している企業は少なくありません。現地の取引先や規制の変化に対応する必要が出てくるかもしれません。たとえば、これまで多様性を重視していたマーケティング戦略や採用方針が見直されることも考えられます。
また、日本企業はこれまで国際的な基準として「DEI」を採用してきましたが、アメリカがこの流れを変えることで、日本側も方針の調整を迫られる可能性があります。
日本社会への影響
社会的には、「多様性って本当に必要なの?」という議論が活発化するかもしれません。
特に、ジェンダーや障害者雇用といったテーマでの意見交換が増えそうです。
一方で、アメリカの保守的な価値観が日本にも影響を及ぼし、「伝統的な考え方に戻ろう」という声が強くなることも考えられます。
日本独自の方向性
ただ、日本はアメリカの動きをそのまま追随するだけではなく、自国の課題に向き合う必要があります。
たとえば、少子高齢化が進む日本では、多様性を活かして社会を支える仕組みが必要です。外国人労働者や女性の活躍推進がその具体例ですよね。
また、アメリカが多様性推進を後退させる中、日本が逆に積極的に取り組めば、国際社会での存在感を高めるチャンスにもなります。こうした選択肢をしっかりと考えることが重要です。
「DEI」廃止が意味する未来とは
今回のトランプ大統領の決定は、多様性の終焉とも言える動きですが、それがアメリカや世界にどんな影響を与えるかはまだわかりません。
ただ、このニュースが私たちに「多様性って何のために必要なのか?」を考え直すきっかけを与えてくれたのは間違いないでしょう。
多様性を受け入れることで生まれるイノベーションの力と、それに伴う課題のバランスをどう取るのか。私たちもこの動きを他人事と思わずに、考えてみたいものです。
多様性を守るべきか、それとも新たな道を模索すべきか、あなたはどう思いますか?
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