なぜ僕らは幸せを感じるのか?なぜ不幸せを感じるのか?映画『PERFECT DAYS』が教えてくれたこと
なぜ僕らは幸せを感じるのか?なぜ不幸せを感じるのか?映画『PERFECT DAYS』が教えてくれたこと
こんにちは!関達也です。
「あなたは今、幸せですか?」
こう聞かれて、すぐに「はい」と答えられる人はどれくらいいるでしょう?
「なぜ幸せを感じるのか?」 「なぜ不幸せを感じるのか?」
この問いに、明確な答えを持っている人は少ないかもしれません。
仕事や人間関係、社会のプレッシャーに追われる日々。情報が溢れ、比較ばかりしてしまう現代社会では、幸せを感じにくくなっているのかもしれません。
そんな中、ある映画が僕に「本当の幸せとは何か?」を改めて考えさせてくれました。それが、『PERFECT DAYS』です。
映画の主人公・平山は東京・渋谷の公衆トイレ清掃員です。彼の毎日は、朝起きて顔を洗い、カセットテープで音楽を聴き、トイレを掃除し、読書をして眠る——それだけ。
でも、彼はどこか満たされているように見えます。
なぜ平山は幸せそうに見えるのか?逆に、僕らが不幸せを感じるのはなぜなのか?
この問いを、映画のシーンを交えながら、今の社会と比較して考えてみたいと思います。
映画『PERFECT DAYS』とは?
※このセクションには、映画の内容に関する軽いネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
『PERFECT DAYS』は、ヴィム・ヴェンダース監督が描く、東京・渋谷の公衆トイレ清掃員・平山の日常を淡々と映し出した映画です。派手な展開はなく、静かに流れる時間の中で、彼のシンプルな生活と内面的な充足が描かれます。
朝起きて、顔を洗い、カセットテープで音楽を聴き、トイレを掃除し、読書をして眠る——ただそれだけの繰り返し。でも、そこには「何か」がある。
美しく撮られた東京の公衆トイレ、カセットテープから流れる懐かしい音楽、木漏れ日や風の音といった繊細な描写が、この映画の魅力です。特に、ルー・リードの「Perfect Day」やパティ・スミスの「Redondo Beach」などの楽曲が、平山の静かな日常に深みを与えています。
「本当の幸せとは何か?」
「何かを『得ること』ではなく、すでに持っているものに気づくことではないか?」そんなことを考えさせてくれる映画です。
この映画で流れる楽曲たちは、映画の魅力を存分に引き立てます。たまたま昔、パティ・スミスの「HORSES」をよく聴いていたのでより味わい深い映画になりました。
情報に振り回される現代 vs. シンプルに生きる平山
現代社会は情報の洪水の中にあります。スマホやSNS、ニュースを見れば、どんどん情報が流れ込んできますよね。
でも、情報を追い続けることで、逆に心が疲れてしまうこともあります。
一方で、映画の主人公・平山の生活はとてもシンプル。情報に左右されず、目の前のことに集中しています。
その違いが、幸せの感じ方にも影響しているのかもしれません。
情報過多とデジタル社会の「不幸せ」
僕らの生活は、スマホやSNS、ニュース、広告でいっぱいです。
- SNSを見れば、誰かの成功が目に入る → 「自分はまだまだだ…」と焦る
- ニュースを見れば、ネガティブな話題ばかり → 「世の中、不安だらけ…」と気が滅入る
- ショート動画を見続ける → 「楽しいはずなのに、なんか虚しい…」
この「比較」と「過剰な刺激」が、不幸せを生む大きな原因です。
平山の生き方:シンプルな生活と「今」を味わう幸せ
一方、平山の生活には、「比較」も「過剰な刺激」もありません。
- スマホを持たず、情報に振り回されない
- 掃除をするときは、目の前の作業に集中する
- 音楽を聴くときは、カセットテープでじっくり味わう
- 昼休みには木漏れ日を見上げ、風の音を感じる
特に印象的だったのは、彼がトイレを掃除したあと、満足そうに眺めるシーンです。誰も見ていなくても、「自分の仕事に誇りを持っている」その姿が印象的でした。
このシンプルな生き方が、彼を満たしているのかもしれません。
また、映画の映像美も印象的でした。
東京の公衆トイレが驚くほど美しく描かれ、光の入り方や掃除後の清潔な空間が、平山の世界を静かに映し出していました。
さらに、カセットテープから流れるルー・リードの「Perfect Day」やパティ・スミスの「Redondo Beach」が、彼の静かな日常に彩りを加えていました。
でも、「スマホを捨てて、シンプルに暮らせば幸せになれるのか?」と言われると、そう単純な話ではないですよね。
ここで、もう少し深掘りしてみましょう。
心理学と哲学でひも解く「幸せ」の正体
「幸せとは何か?」この問いに対する答えは、人それぞれ違うかもしれません。
でも、心理学や哲学の視点から見れば、共通するヒントが見えてきます。
ここでは、3人の偉大な思想家の考えをもとに、僕らがなぜ不幸せを感じ、どうすれば幸せを感じやすくなるのかを探ってみましょう。
① ダニエル・カーネマン:「なぜ不幸せを感じるのか?」
カーネマンによると「人間の脳は、損失を避けるようにできている」と言います。
- 1万円を得る喜びより、1万円を失う苦しみのほうが強く感じる。
- SNSで「他人の成功」を見ると、「自分にはない」と思い込んでしまう。
➡ 解決策:「足りないもの」ではなく、「今あるもの」に目を向ける。
② アドラー:「対人関係が不幸を生む」
アドラーは「すべての悩みは対人関係の悩み」と言いました。
- 会社での評価、友達との比較…誰かと比べることで苦しくなる。
- でも、平山は競争しない。ただ自分の仕事を淡々とこなす。
➡ 解決策:他人と比べるのをやめて、「自分の軸」で生きる。
③ ニーチェ:「幸せは、自分で作るもの」
ニーチェは、「人生の意味は自分で作るしかない」と言いました。
- 平山にとって、掃除も、読書も、コーヒーを飲む時間も、全部「自分の人生の一部」。
➡ 解決策:「世間の幸せ」ではなく、「自分の幸せの定義」を決める。
幸せを引き寄せるために今すぐできること
「じゃあ、どうすれば幸せを感じられるの?」と思う人も多いはずです。
映画の中の平山のように、シンプルに生きることで心が満たされるなら、僕らの生活にも取り入れてみたいですよね。
ここでは、日常で簡単にできる行動を紹介します。小さなことから試してみるだけでも、気持ちが変わるかもしれません。
情報を減らす(デジタルデトックス)
スマホやSNSに常に触れていると、無意識のうちに比較や情報過多に陥ってしまいます。一度デジタルから距離を置くことで、自分の時間を取り戻し、心が穏やかになるのを感じられるはずです。
- 1日30分、スマホをオフにする
- SNSを見る回数を決める
「今、この瞬間」を意識する
食事をするとき、音楽を聴くとき、誰かと話すとき——何かをしながら別のことを考えていませんか?「今ここにいること」を意識するだけで、日常の些細な時間が豊かに感じられるようになります。
- 食事をするときは、スマホを見ず、味わうことに集中する
- 音楽を聴くときは、ながら聴きをやめる
「自分の幸せの基準」を決める
世間の「幸せの形」に流されていませんか?お金、仕事、ライフスタイル……何が自分にとっての幸せなのか、一度立ち止まって考えてみることが大切です。
- 「お金」「仕事」「人間関係」…本当に大事なのは何か?
- 何が自分にとっての「Perfect Days」なのか?
幸せを感じるために大切なこと
ここまで、映画『PERFECT DAYS』を通して、幸せについて考えてきました。情報に振り回される現代と平山のシンプルな生活を比べたり、心理学や哲学の視点から幸せの正体を探ったりしました。
そして、映画のラストシーン。平山が見せるわずかな表情の変化。彼は何を思っていたのか?
そこに、彼の人生観や幸せの本質が詰まっているように思います。
では、最終的に僕らが幸せを感じるためには、何が大切なのでしょうか?
- 情報過多・比較が不幸せを生む
- シンプルに生きると、幸せを感じやすい
- 幸せは「自分の軸」を持つことから始まる
映画『PERFECT DAYS』を観て、僕は「今あるものを大切にする」ことの大切さを改めて実感しました。
あなたにとっての「Perfect Days」とは? どんな日々を過ごせたら、「幸せだ」と思えるでしょう?
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