ホワイト社会が強まる時代に、「ルール社会 vs ストーリー社会」の分断が生まれている

ホワイト社会が強まる時代に、「ルール社会 vs ストーリー社会」の分断が生まれている
こんにちは!関達也です。
前回の記事では、「オールドメディア vs. ニューメディア」の対立について考えました。
メディアの分裂、「オールドメディア vs. ニューメディア」の時代についてはこちらの記事に書きました。

かつては、テレビや新聞といったオールドメディアが情報の中心であり、社会全体の共通認識を作っていました。
しかし、YouTubeやX(旧Twitter)、TikTokといったニューメディアが台頭したことで、誰でも発信できる時代になり、「何を信じるか?」が人によって大きく変わってきました。
オールドメディアは、編集や取材を経た情報を発信することで、信頼性の高い情報を提供することを重視してきました。一方で、ニューメディアでは、拡散力が重視され、「バズる」ことが情報の価値を決める要因になりつつあります。
その結果、メディアの分裂が進み、社会の見方や価値観にも大きな違いが生まれています。
この分裂の根本には、「どの情報が正しいか?」という単純な問題だけではなく、「どの価値観を信じるか?」という、より深い対立があります。
今回は、岡田斗司夫さんが提唱した「ホワイト社会」の概念を踏まえながら、「ルール社会 vs. ストーリー社会」という新たな価値観の分裂について考えていきます。
メディアの分裂は「価値観の分裂」でもある

かつて、テレビや新聞(オールドメディア)が社会の共通認識を作っていました。
- みんなが同じニュースを見て、同じ情報を共有していた
- 社会全体が「事実」に基づいて動いていた
しかし、ニューメディアの台頭で「何を信じるか?」が人によって違う時代になりました。
- YouTube、X、TikTokなど、個人が発信できる時代へ
- 事実よりも「どんなストーリーに共感するか?」が重視されるように
この変化の背景にあるのが、「ルール社会」と「ストーリー社会」の価値観の違いです。
- ルール社会=事実・論理・規則を重視する世界(オールドメディアが代表的)
- ストーリー社会=感情・共感・物語を重視する世界(ニューメディアが代表的)
岡田斗司夫さんが提唱した「ホワイト社会」は、まさにルール社会の一部でした。
- 「正しくなければならない」「ルールを守ることが重要」という考え方
- 会社組織、学校、テレビ・新聞などがこの価値観に基づいている
ホワイト社会についてはこちらの記事に書きました。

しかし、現代では「ホワイト社会」の枠を超えたストーリー社会が力を持ち始めています。
- 何が正しいかではなく、「誰の話が一番面白いか?」が重要になった
- これが「ルール社会 vs. ストーリー社会」の対立を生んでいる
ルール社会とは?

ルール社会とは、一言で言えば「事実・論理・規則を最優先する社会」です。
- ルールがすべての基準になる(契約や法律が最も重視される)
- 事実を基に判断する(データやエビデンスが大事)
- 秩序が求められる(社会の安定を優先する)
オールドメディアはこのルール社会の価値観を基盤にしていて、たとえばニュース報道では「事実確認をしてから伝える」「中立性を意識する」といった基準を持っていますよね。
でも、このルール社会に対抗するように、今の時代に台頭してきたのが「ストーリー社会」なんです。
ストーリー社会とは?

ストーリー社会は、「正しさよりも納得感が大事」な社会です。
- 感情や共感が重視される(理屈よりも「どれだけ心に響くか」が大事)
- 事実よりも物語のほうが影響力を持つ(真実かどうかより「面白いかどうか」で広まる)
- 炎上や話題性が力を持つ(拡散されることで影響力が増す)
ニューメディアは、このストーリー社会の性質を強く持っています。たとえば、YouTubeの暴露系動画や、Xで拡散される陰謀論などは「事実」よりも「物語として面白いかどうか」が重要視される傾向にあります。
だからこそ、ルール社会とストーリー社会は衝突しているんです。
なぜ今、「ルール社会 vs ストーリー社会」の対立が激化しているのか?

今、社会の中で「事実を重視するルール社会」と「共感を重視するストーリー社会」の対立がどんどん深まっています。その理由はいくつかあります。
1. メディアの分裂が進んだ
かつては、ほとんどの人がテレビや新聞を通じて情報を得ていました。でも、今はYouTubeやSNSが普及し、誰でも情報発信ができる時代になっています。
結果として、「ルールに基づいた事実を伝えるメディア」と「ストーリーを重視するメディア」が分裂し、人々もそれぞれ自分の価値観に合ったメディアを選ぶようになりました。
2. 炎上やバズが「力」になっている
ストーリー社会では、「注目されること」が最も大きな武器になります。そのため、事実よりも「バズるかどうか」が優先される傾向がありますよね。
一方で、ルール社会では「信頼性が最優先」なので、拡散力ではストーリー社会に勝てません。このギャップが、両者の対立を加速させています。
3. AIとアルゴリズムがストーリー社会を後押ししている
YouTubeやXのアルゴリズムは「人々が興味を持ちそうな情報」を優先的に表示します。その結果、「感情を刺激するストーリー」が拡散されやすくなり、ますますストーリー社会が勢力を伸ばしているんです。
これからの社会で求められるのは「バランス感覚」
では、ルール社会とストーリー社会、どちらが正しいのでしょうか?
実は、この二つはどちらも必要なんです。
さて、次回は「ニューメディアの中の分類 ─『フリーメディア』と『カオスメディア』」について考えていきます。お楽しみに!
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